マウンティング用語の基礎知識

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バイブス

ある場面において、その場にいる者のうちで言わずと共有される空気感。ほとんどの場合「ノリ」「テンション」「雰囲気」で置き換えられるが、あえて「バイブス」を用いることで、クローズドな関係性が強調され、仲間の絆を確かめられるメリットがある。「内輪ノリ」をコミュニティの内側から肯定的に捉えた言葉であるとも言える。

ハズす

服装の雰囲気を全面的に統一するのではなく、あえて定型とは異なるアイテムを一部に取り入れることで、ファッションを楽しむ余裕をアピールするテクニック。「ぬけ感」と同様に、外しすぎて意図がわからなくなるケースも散見される。

パパ活

女性が経済的余裕のある男性と時間を共にし、その対価を得る営み。「援助交際」から売春のニュアンスを除去し、「存在そのものに対する投資」という面をでっち上げることにより、恋愛をサービス化することに対する女性の抵抗感をなくすことに寄与した言葉である。なお、売春のニュアンスがないことは、実際に肉体関係がないことを必ずしも意味するものではない。この世でもっとも罪深い言葉のひとつである。

パラダイムシフト

学問などの特定分野において、それまで一般に通用していた認識の枠組みや概念構造が一変すること。ビジネスにおいては、「常識を変える」「発想を転換する」程度の意味合いで用いられ、「自分には一般人とは異なる者の見方ができる」と自負する者にしばしば利用される。
なお、トマス・クーンにおける「パラダイム」は、自然科学の諸概念を理解する際の地盤となる前提条件を意味する。自然科学は精密な実証過程によってのみ成立しているわけではなく、科学者集団において通用している学的承認のプロセスや、そこに特有の権力構造のありようによっても規定されていることを表す概念である。自然科学の確実性は自明のものではなく、社会的な流動性や恣意性を孕みながら変容していく、といったところに、「パラダイムシフト」をめぐる言説の力点は置かれている。

パンパース

高級オムツの代名詞。とりわけ上級ラインである「はじめての肌へのいちばん」シリーズは、「シルキーソフトシート」の上質な肌触りや、「360°雲ごこち通気システム」によるムレやカブレの防止など、赤ちゃんの尻に万全の防御体制を敷くことができる。さらに、最高級ライン「はじめての肌へのいちばん ピュア」シリーズは、「米国農務省認定のオーガニックコットン」を素材に採用し、価格は庶民オムツの3~4倍にも上る。その後祖父からヴェルタース・オリジナルを与えられる存在にふさわしいオムツである。

Beats

アメリカのヘッドホン製作会社。HipHopプロデューサーのDr. Dreによって設立され、2014年にアップル傘下となる。それ以前にも、レディー・ガガをはじめとするアーティストのほか、NBAのスター選手レブロン・ジェームズなど著名人とのコラボを積極的に行い、またデザイン性に凝った商品を展開することにより人気を博す。
アップル傘下に入ってからしばらくは、Beatsのロゴである「b」がアイコン化し、ファッションアイテムとして取り入れる人々が街にあふれたが、価格に対する音質に失望する者が多いのか、このところめっきり見かけなくなっている。最近では低価格路線に舵を切っているようである。

ビジョン

視野、視界。その人の目に映るもの。日本語においてはもっぱら、「将来への見通し」といった意味で用いられる。自己啓発セミナーなどでは、しばしば「クリアなビジョン」を堅持することの重要性が説かれる。この「クリアさ」は具体性や現実性を含意するものではなく、「なりたい自分になる」という「気持ちの強さ」を表している。こうした気持ちを常に抱いておくことで、我が身に起きるさまざまな事象はポジティブな「メッセージ」に満ちたものとして映ってくるようである。受講者の物事の捉え方は確かに変化するらしく、本人は「自分は変わった」と実感しているケースも多いが、能力やスキルが向上したわけではないため現実的な成果に結びつくことは稀である。
ビジネスの場面では、「経営層と従業員間でのビジョン共有」や「クライアントとのビジョン共有」など、やたらと共有されがちな節がある。「共有」という言葉のもと、とりたててビジョンを持っていない者に対して一方的に価値観を刷り込んでいるケースも多い。

ファクトベース

事実にもとづいていること。プレゼンなどにおける「ファクトベースで頼むよ」は、実質的には「希望的観測で話すな」と同義である。
ニーチェ的な観点からいえば、事実は解釈によって決定されるため、権限を持った人間の解釈はつねにファクトのベースになる。

ブルーオーシャン

「未開拓の市場」を表す比喩。他企業が手を付けていない潜在的な需要の在処を、まだ汚れていない大海になぞらえているわけである。
対義語である「レッドオーシャン」は、過酷な競争によって流れた血が海を赤く染めるさまを示している。ブルーオーシャンはこの点で、発見されれば平和的かつ継続的に利益を得られる漁場となるが、そもそもブルーオーシャンを探す過程で多くの航海士たちの血が流れつづけていることも忘れてはならない。

ブレスト

ブレインストーミング(brain-storming)の略。
普段の権力関係に囚われず、自由な発想を口に出していく会議の技法だが、実質的には「思ったことなんでも口にしていいよ」くらいの意味合いで用いられる。
とはいえ、「じゃ、これからブレスト的な感じで」と呼びかけられても油断してはならない。自由を建前に、彼らは私たちの「内心」に対して価値評価を下す機会を窺っているのだ。つまるところ、無礼講と同義なのである。

ベストエフォート

最大限の努力。主にインターネットの回線事業者が通信の速度を消費者に訴求する際に用いる理論値を指し、往々にして実情とはかけ離れた数値が表示される。「自社のサービスにはこれだけのポテンシャルがあるが、その性能を保証するわけではない」の意。

ベネフィット

利益。商品やサービスを提供する側がその価値をアピールする際、顧客にもたらす効用や満足を指す言葉として用いられる。「利益」と言わず「ベネフィット」と言うのは、「利益」という言葉に伴う金銭的なニュアンスを脱臭すること、メリットをあえて具体化しないことによりその後のクレームを回避すること、という2点を主な目的としている。

ペルソナ

マーケティングにおいて、ターゲット層を具体的にイメージするために設定される顧客像。年齢層や居住エリア、収入といった大まかな設定ではなく、ペットの有無や恋愛観、食の好みなど細部まで練り込むのが優秀なマーケターの常であり、ねねちゃんのおままごとに匹敵しうるリアリティを醸し出す。なお、ペルソナを詳細に規定することによりマーケティング効果がどれほど高まるのか、という点は謎に包まれている。

北欧風インテリア

ノルウェーやスウェーデンなど北欧において、どうやらスタンダードとされているらしいインテリアのコーディネイト。木材などの素材感を活かしたシンプルな家具や調度品全般を指し、お洒落な部屋の代名詞として用いられる。「スカンジナビア・デザイン」と言っておけば、さらに洗練された印象を与えることができる。
具体的にどのような要素が「北欧っぽさ」を構成しているのかは定かでないが、とりあえず淡めの色彩を部屋全体の基調とし、素材の「ぬくもり」を感じさせつつも機能的に洗練されたデザインの家具を取り入れ、アクセントとして観葉植物などを配置すればよさそうである。大型家具量販店のIKEAはスウェーデン発祥なので、とりあえず「北欧風インテリア」に仕上げたければIKEAで家具を揃えればよい。

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