マウンティング用語の基礎知識

や行

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ゆとり世代

1987年度から2003年度までの間に生まれた、世代間マウンティングの最大の被害者たちのこと。詰め込み教育への反省から、「生きる力」を重視した結果、文部科学省は授業時間や学習カリキュラムを削減した学習指導要領を策定する。これが「ゆとり教育」と呼ばれた結果、当該指導要領の施行期間中に義務教育を受けた世代が「ゆとり世代」と呼称されることになった。
とりわけ算数における「円周率が3に」という報道のインパクトは大きく、ゆとり世代にとってのスティグマとなった。「3.14」という数字だけで、特定の世代に属するあらゆる人間に対してマウントを取れると錯覚してしまう人間は実に多く、ゆとり世代の人々は長きにわたってカテゴライズの暴力に晒され続けることになる。
「ゆとり差別」は彼らが社会人になってからも止むことがなく、「ゆとり世代の特徴」として「叱るとすぐ傷つく」「指示待ち人間」「付き合いが悪い」といったラベリングがあたかも普遍的性質であるかのように貼り付けられることになる。そのように既成概念に乗じることで、コンテンツとしてのウケがよくなるからである。
一方で、この世代とも一部重なる「Z世代」は、「社会への関心が強い」「情報機器に強い」と肯定的に語られることが多い。「Z世代をターゲットにするにはデジタルマーケティングが重要」であり、「社会的視野を取り入れたブランディングが必須」だということを喧伝するためである。すなわち、コンテンツマーケティングの都合により、この世代は「二つの顔」をメディアによって押しつけられていることになる。
ともあれ人間が「大きな主語」のもと、他者を一括して否定することにいかに快楽を覚えるか、これほどグロテスクに露見したケースも少ないだろう。言葉をもつ動物に見られる典型的な差別構造を表す事例として、長く記憶されなければならない言葉である。

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